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北海道旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部苫小牧地区
糸井駅H20北海道苫小牧市日吉町三丁目
苫小牧駅管理の無人駅
※令和4年3月末までは苫小牧駅管理の簡易委託駅

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 苫小牧市郊外の住宅が多いエリアにある駅です。駅舎建物は見た目古さが際立っています。見回しても竣工期日を示す建物財産標が見当たらなかったので詳細は分かりませんが、当駅の旅客営業開始が1956(昭和31)年となっていることから、恐らくはその頃からの建物ではなかろうかとみられます。

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 駅前は北海道の都市郊外ではおなじみの区画整理された宅地が広がっています。
 苫小牧市は製紙会社の企業城下町という性質と、札幌へそこそこ近く、また新千歳空港にも近いこともあって人口は比較的多いのが特徴。厳冬期であっても雪が比較的少ないのも住みやすさの良さをアピールすることに一役買っています。

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 建物内です。ワンマン列車全盛のご時世にあってきっぷうりば窓口が現役で活躍をしていた簡易委託駅は大変貴重です。
※乗車券類販売業務の簡易委託は令和4年3月末で終了しています

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 トイレが男女別に設けられています。

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 当駅はKitacaエリア外ですが、それでも比較的多い列車本数を擁していて、1日4本(休日は3本)の「当駅行き」と同3本の「当駅始発」の列車が設定されています。

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 当駅内掲示の運賃表ですが、勇払駅や植苗駅といった表示掲載駅のチョイス基準がいまいち理解に苦しみます。

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 苫小牧方面の場合は跨線橋を、登別・室蘭方面へはスロープを通りそれぞれのホームへ行き来することになります。この跨線橋は自転車の通行を意識しているのか、車輪を通すことができる区分が設けられていて、駅設備の他に地域の自由通路の役割も持っているようです。

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 駅舎を裏側から見た図です。手前側の煙突は待合室のストーブ向けですが、燃料費高騰のあおりから現在は使われていません。駅事務室内のストーブは係員配置時間帯のみ稼働していて、そこから漏れてくる暖気で待合室の温かさが維持されていました。

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 跨線橋から見た様子です。ホーム上には小さな上屋が設けられていて、降雨時の列車待ちにも一応対応しています。

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 駅舎と反対側にはこのような入浴施設があり、駅から徒歩3分程度という好立地なので、列車でぜひ利用したいところです。

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 構内は複線上の2面2線。普通列車のみが停車します。

 そんな当駅ですが、乗車券類発売の簡易委託が行われていた令和4年3月末まで、(恐らく)日本でここだけの素晴らしいサービスがほぼ毎日実施されていました。それがこれ。
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 通常は駅舎内きっぷうりばで実施されている乗車券販売業務が、下り列車発車時刻前になると乗車券類と釣銭・計算機を入れたカバンを持って移動し、2番線ホーム上屋で出張販売をしてくれていました。駅舎に面していない2番線側の出入口からの利用者も乗車券購入のために跨線橋を横断して駅舎へ立ち寄る手間が省けてとても便利と大好評の様子で、列車到着の5分前になるとこのように行列ができるほどの活況を呈しました。

 客足が途切れた隙に係員さんにお話を伺い2001年訪問時の立ち売りの様子を撮影した画像を見てもらうと「あ~〇〇さんの奥さんだよ~我々のセンパイです」「今は4人で持ち回り交代で切符販売をしている」と教えていただき、僅かな時間でしたが楽しい話をしていただきました(感謝)。

 なお、消費税率改定までは管理駅のマルス端末を「前出し」したものに日付印を押して販売をしていた乗車券類は2019年10月以降は赤地の常備券になっていて、きっぷ収集マニア垂涎の品揃えになっていました(私は「糸井→苫小牧」「糸井→250円区間」「糸井→新千歳空港」を購入しました)。


 2001年訪問時の様子です 
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 1917年に信号場として開業した駅です。

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 訪問をしたとき、待合室内の椅子には手作りとみられる座布団があり、利用者をもてなしていました。

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 当駅は簡易委託駅として係員さんが乗車券類を販売していましたが、駅舎とは逆の苫小牧方面ホームから列車が発車する時間帯には駅舎の窓口を閉鎖し、ホームで出張販売を行っていました(2001年訪問時)。これ、すごくいいサービスですな。

 その当時のきっぷがこれ。
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 数多くの乗車券類が入っていて、中には特急列車にも使える企画きっぷもあったりして、当駅利用客の層の厚さが伺えました。この乗車券入れは出札窓口から簡単に持ち出せるよう工夫されています。
※その後、この切符差しは使われなくなり、違う形状のものを活用していました。

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 2001年の訪問時、駅舎の片隅には可愛いお犬様が居て、列車が来るまでの間、利用客を癒してくれていました。

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 構内は複線上の2面2線。構内には切り替えポイント設備はありません。苫小牧発・当駅行列車は当駅で乗客降車後、いったん隣の錦岡駅の中線に入り、準備を整えたのちに当駅へ戻ってきます。錦岡駅は配線構造上、客扱いは行わず、下り列車は営業上は当駅始発列車として運転されます。この辺りは函館線のほしみ駅と銭函駅の関係に似ています。

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 駅番号付看板へ交換する前の駅名標。
<当駅→青葉駅間の踏切施設>
・(130k630m)当駅
130.6km
・(132k308m)苫小牧通り踏切
・(132k800m)青葉駅132.8km
※太字のリンク先は踏切施設調査の姉妹サイトへ飛びます
隣の駅@室蘭線
上り:錦岡駅H215.2km
下り:青葉駅H192.2km

※訪問日:2001年3月29日,2020年1月13日