東日本旅客鉄道株式会社 盛岡支社
上有住駅■岩手県気仙郡住田町上有住字土倉298番地
釜石駅管理の無人駅
●Kaverno(洞窟)
山の中腹にこっそりひっそり設けられた駅です。この公道に面してここが駅である旨の案内看板は見当たりませんが、よく見ると階段の下部分にバス停があり、このバス停の名称がここを駅ということをアピールしているような格好です。
住田町コミュニティバスの上有住駅バス停です。
住田町は「上有住村」「下有住村「世田米町」が合併して1955年に設立した自治体です。それぞれの自治体名称から1文字ずつ採って「住田町」と名付けられています。その住田町には鉄道の駅が当駅しかなく、町の中心部(世田米)から鉄道を利用するにはコミュニティバスで当駅または遠野駅に出て乗り換えるんだそうです。
しかしこの時刻表を見る限り、当駅を発着するバスは5本の設定があります。うち月曜~土曜の運行は8時発(木曜は7時53分)のみで、それ以外の4本は土日祝運休となっていて、乗車のハードルはかなり高いと言えます。
駅入口から少し登ったところには自動車の転回を意識したような広場があります。自動車での送迎の際は駅前でUターンは難しいので少し進んだ先にある広場での転回が便利ですな。ご覧の通り、駅前付近には商店どころか民家も殆ど見当たりません。
駅出入口の階段を登ったところからの眺めです。
階段を登ったところはこんな感じ。ようやく「JR上有住駅」の看板を確認でき、ここが駅であることがわかります。
かつて駅舎建物があった場所は現在空き地状態で、跡地は展望台と化しています。
冒頭の階段の画像を再掲します。本来であれば駅舎があった部分のステージ状になっている部分を建物解体時に同時撤去したかったんでしょうけど、そうすると階段を別途構築しなくてはならなくなり、それは不経済なのでそれならステージ状の部分を残して階段を活用しているようです。
google画像検索「上有住駅 駅舎」でヒットしたウェブサイトにょるとステージ状の土台ギリギリに木造の駅舎があり、さらに階段を降りた付近の公道を挟んで反対側には日本通運の事務所があったんだそうで、当駅が貨物取り扱いの最前線でもあったことがよくわかります。
なお展望台と化していた付近にはこんな周辺図があります。当駅から山を下りるように進むと鍾乳洞があります。
観光スポットが点在していて、快速は通過しますがSL銀河号(臨時列車)は当駅にも停車します。
ホームはかつて行き違いが出来るような1面2線構造で、さらに貨物取り扱いのための側線が残っています。
かつて行き違いが出来たときの名残りとなっている敷地には現在ホーム待合室が設置されています。
そんな広い構内には「指差喚呼確認」の注意看板があり、その看板からJR盛岡支社管内に点在している「注意クマ(と私が勝手に命名)」が元気に指差喚呼(しさかんこ)をしています。このクマ、釜石駅や花巻空港駅、花輪駅(JR時代)で見ることができました。
建物内は意外と狭く、数人が座ったら満員御礼。その中には公衆電話が設けられています。
時刻表と運賃表です。
旧国鉄時代からのホーロー板駅名看板も現役で活躍をしています。
釜石線名物のエスペラント副駅名は「Kaverno(カヴェルノ)」で、洞窟と言う意味なんだそうです。
そんな当駅は単線上の1面1線です。
<当駅→陸中大橋駅間の踏切施設>隣の駅@釜石線
・(65k380m)当駅65.4km
・(66k805m)大洞踏切
・(73k680m)陸中大橋駅73.7km
※太字のリンク先は踏切施設調査の姉妹サイトへ飛びます
上り:足ケ瀬駅■4.2km
下り:陸中大橋駅■8.3km
※訪問日:2017年12月31日