nunohara
西日本旅客鉄道株式会社 中国統括本部岡山支社
布原駅岡山県新見市西方字野々原3707番地7号
新見駅管理の無人駅

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 ↑当駅のエントランス部です。公道から右方向へスロープ状に登り坂になっている部分から出入りします。周囲を森林に囲まれた静かな環境に数件の民家があります。この民家の住民の皆さんが当駅のメインユーザーさんになられるようで、訪問した時も1名様の地元の列車利用者さんが当駅から新見行列車にご乗車されておられてました。
 wikipedia日本版によれば当駅の令和2(2020)年の1日平均乗車人員(出典は岡山県統計年報)は0人とされています。ところが令和4年8月某日の1名様の乗車利用を見たのは奇跡的な現象だったのでしょうか。この利用者様に軽く会釈をしたのちに話を伺うと、「もうちょっと停車列車が増えてくれると助かるんだけどねぇ」と話されてました。

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 西川(河川)を横断し、当駅に近づくとこのようなスペースが・・・これが当駅の設備かと思って更に近づくと、画像中心付近の建物は「布原公会堂」の看板が掲げられていて、この付近の住民の皆さんのための施設・設備のようです。

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 出入口付近には運賃表と時刻表がコンパクトに掲げられています。市内中心部の新見駅までは190円です。時刻表には「芸備線」の文字があります。当駅は隣の備中神代駅から新見駅へ乗り入れる芸備線列車のみが停車し、ホームが短いという設備的な事情から3両編成が基本の伯備線普通列車は通過します。芸備線列車の本数は少なく、御覧のように時刻表は空白の時間帯が広く開いています。とはいえ21時台まで列車が来るんですな。

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 ↑これは伯備線電車内掲示の路線図です。一見すると芸備線と伯備線が並走しているように見える当駅の位置関係ですが、伯備線に当駅を通らないような記し方。。。

 ところで当駅の名称は「布原(ぬのはら)」ですが、新見市に布原という地名はなく、JR西日本の公式サイトによれば当駅の所在地は「新見市西方字野々原」とあります。ひょっとして「ぬのはら・ののはら」のどちらでもよいこととして、後で漢字を充てる際に地名は「野々原」、駅名は「布原」としたのかも知れません。

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 出入り口付近にはこのような防水ボックスが据え付けられていて、中にはいわゆる「駅ノート」が収納されています。やってくることが難しい駅なので徒歩移動の猛者が意外と多くノートに武勇伝が記されていて、読んでてとても興味深い中、鉄道好き芸能人・伊藤壮吾さんの書き込みがあり、今後ご自身のyoutubeチャンネルでネタになるのかなと期待しています。

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 当駅はホームが互い違いに配置されています。もともとは信号場として昭和11(1936)年に開設され、その後に仮乗降場のような暗黙の扱いで乗降扱いをしていたそうですが、昭和62(1987)年に国鉄が爆発して民営化されると同時に「駅」に昇格して現在に至っています。

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 上下のホームを行き来する構内踏切です。ここをもし廃止する場合、すぐに撤去できそうな簡易なつくりになっています。

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 構内は単線上の2面2線。前述の通り芸備線から(へ)乗り入れる普通列車のみが停車します。

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 通過列車が多い当駅。訪問した時間帯には貨物列車がやってきました。


<当駅→備中神代駅間の踏切施設>
・(69k530m)当駅68.3km
・(83k876m)黒滝踏切
・(71k808m)神代東踏切
・(72k030m)備中神代駅70.8km
※太字のリンク先は踏切施設調査の姉妹サイトへ飛びます
隣の駅@伯備線
上り:新見駅■3.9km
下り:備中神代駅■2.5km

※訪問日:2022年8月3日

 超余談ですが、当駅訪問時、謎の踏切設備を見つけました。
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 それは民家とみられる敷地内に見えました。あれはいったい?!

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 民地のため一声かけて見学したいと思って近づいてみたところ、どうやら現役の線路設備としての踏切ではないようです。

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 踏切には「布原構内 匠踏切(3k718m)」の文字が記された山陽エリアでお馴染みの白看板が出ています。

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 その下には非常ボタン取扱注意札看板がありますが、こちらには「高屋川東 踏 切」の文字が確認できます。
 これ、JR福塩線・神辺~湯田村間・高屋川東踏切(9k020m)の設備更新で発生した廃品を譲り受けてここへ設置させたもののようです。前出の偶然居合わせた地元の住人さんによれば「あのおうちのご主人がお孫さんのために踏切を付けたんですって。以前は鳴っていたんだけど4年前の豪雨で故障しちゃったみたいで」と教えていただきました。