東日本旅客鉄道株式会社 盛岡支社
大湊駅■青森県むつ市大湊新町7番地14号
駅長所在の直営駅
1921(大正10)年の開業時から使われている木造駅舎の駅です。2010年に東北新幹線が新青森駅まで延伸開業した効果を期待して開催された観光キャンペーンに便乗し2010年12月に建物はリニューアルしています。
といっても駅の外は観光ムードとは少し違う雰囲気。観光の玄関口や街の中心部的な賑わいは隣の下北駅周辺が担っていて、当駅の周囲は数件の商店が並んでいる程度です。かつては海軍が本拠を置く場所として活況を呈していたそうですが、当時の大湊町と田名部町が合併するとその賑わいは田名部エリアへ転移し、現在はこの有様です。
地元の名物を掲げた歓迎看板がありました。
当駅は大湊線の終着駅ですが、線形が災いし本州最北端ではない(本州最北端駅は隣の下北駅)ので、微妙な言い回しで終着駅をアピールしています。
駅舎内は青森ひばが使われ綺麗にリニューアルが施されています。広々とした待合室にみどりの窓口があります。
当駅前からはジェイアールバス東北の路線バスが発着しています。その定期券販売は2016年までは当駅窓口で販売されていましたが、オトナの事情でそれが終了。バスの営業所や案内所での販売になってしまいました。「それじゃ不便だ」ということで同社が編み出した代替発売手法は「封筒型申込書」。これはバス車内に置いてある「封筒型申込書」に必要事項を記入。その際に受け取り希望日と便も記入し、代金を添えてバス運転士へ提出(申し込み控えが交付されます)→数日後に控えと引き換えに定期券を受け取るという流れになっています。
昨今、スマートフォンでも定期券販売が出来るようになってる事業者がある中で意外とアナログな手法での定期券販売だなと思って調べてみると、意外とこのような方法をしている事業者はチラホラあるようです。
そのバスの発車時刻表はこちら。当駅前からはJRバスが発着しています。隣の下北駅前からは下北交通が発着していて、事業者による棲み分けがこんなところに出ているんですな。
ちなみにそのバス定期券販売を取り止めた当駅のみどりの窓口営業時間はご覧の通り。5時00分から20時00分までとなっていて、当駅の全ての出発列車に対しては対応(当駅の上り最終は20時03分発)していますが、20時以降の到着列車2本は車内精算になるようです。
それにしても細かくと休止時間が設定されているんですねぇ。これも列車の発着にあわせた「この時間なら客は少ないだろう」というタイミングで休憩や事務処理集中の時間設定なのでしょうね。
始発列車の改札を待つ行列の整理整頓はこの看板に任せているあたり、人手不足を実感させられます。
当駅からの運賃表です。掲載範囲が青森駅・八戸駅の手前までという中途半端感が漂う内容になっていますが、これは恐らく自動券売機の販売範囲に習っているのかも・・・と思って調べてみると、当駅から青森駅までは新青森駅・津軽新城駅まで乗っても筒井駅までと同額の2,180円。これはいったい?!
※金額は消費税8パーセント計算です。
改札の外はご覧の通り頭端式になっています。駅舎に接している側が2番線、そうでない側は1番線。その1番線の右側には側線が1本あります。かつては車両基地があったそうですが、 1985年に下北駅から分岐していた大畑線が下北交通へ転換されて基地機能を廃止し現在のようになっています。
1番線ホーム上にはモニュメントがあります。
「行ってらっしゃい」の文字が旅情を盛り上げますが、その横の温度計の広告にある「マネービル」って?!
ここの「日興証券」は現在の「SMBC日興証券」ことで、同社の歴史を振り返るウェブサイトによると1957年の欄に「当時流行していた「ボディービル」にヒントを得た当社のキャッチフレーズ」と書かれています。1957(昭和32)年といえば12月にあの「ミスター巨人軍」こと長嶋茂雄氏が南海ホークスではなくジャイアンツへ入団し、名古屋に初の地下鉄が名古屋駅~栄駅間に開業した年と書けばどれだけ古い品物かがご理解いただけるかなと。。。
そんな構内は単線上の2面2線になっています。
ホームの頭端部方面はこんな感じになっています。
「I♥大湊」の文字までは理解できるのですが、↑はいったい?!
<当駅→線路終端間の踏切施設>隣の駅@大湊線
・(58k190m)当駅
・この間に踏切はありません
・(58k219m)線路終端
上り:下北駅■13.4km
下り:(終着駅)■全長58.4km
※訪問日:2018年12月29日