
東日本旅客鉄道株式会社 水戸支社
夜ノ森駅■福島県双葉郡富岡町大字本岡字新夜ノ森12番43号
いわき駅管理の無人駅
★Suica(首都圏エリア)の駅
2020年3月22日訪問時の様子

廃炉作業中の東京電力ホールディングス株式会社・福島第一原子力発電所から7キロ圏内にある帰宅困難地域であった場所にある駅です。震災以前は桜やツツジが咲き乱れる風光明媚な駅でした。
旧駅舎があった東口は旧駅舎をモチーフにした待合室の再建が検討されているそうです。現在はホームから繋がっている東西自由通路の東側出入口があるだけです。

駅の出入口から外を見た様子です。事情は承知していましたが、実際に訪れると現実を突きつけられる衝撃的な光景が広がっています。

隣の富岡駅付近は街びらきが行われ、区画整理が進み生活の息吹が感じられましたが、当駅東口前は公道以外、建物がフェンスに覆われ、そのフェンスの内側は地震が起きた2011年3月から時間が停止しています。

飲料の自動販売機は当然稼働していませんし、仮にしていたとしてもフェンスに阻まれ利用ができません。当然ですが商品ラインナップは2011年3月現在のまま。。。

分厚いフェンスに遮られた向こう側は除染されているかどうかがわからず、また防犯上の観点から立ち入りが厳しく制限(禁止)されています。

従来利用できていた富岡駅や竜田駅の周辺はまだ夜間定住が禁止されていた(現在は解除)だけで立ち入りは可能でしたが、原発10キロ圏内の現実をまざまざと突き付けられます。

こちらは西口です。駅舎が無かった側で、今回の復旧に伴い設置された東西自由通路の恩恵で駅利用がとても便利になりました。

西口側は除染が進み、住宅が増えて住民の姿があります。

当駅の土手にはツツジが植樹され、開花シーズンには通過する特急がサービスで徐行するほどの名物だったんだそうですが、帰還困難地域に指定されるほどの空間線量の高さからやむなく伐採されています。避難指示が解除されたのちに苗木を植えるとの方針のようです。立派に咲くツツジを楽しみに待ちたいところです。

夜ノ森エリアはこのように花に誇りを持っているようです。

自由通路の中間付近には改札口があり、Suica簡易改札機が設置されています。自動券売機は無く、ICカード利用以外の利用者で乗車券類を持っていない場合は乗車駅証明書を持って車掌もしくは着駅で精算します。

列車時刻表です。特急列車は停車しません。

構内を自由通路から見た図です。両サイドにサクラが咲く様子は圧巻なんだろうなぁ。

常磐線が全線運転再開を祝う看板が出ていました。

構内は単線上の1面2線。普通列車のみが停車します。
隣の駅@常磐線
上り:富岡駅■5.2km
下り:大野駅■4.9km
※訪問日:2020年3月22日